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Jean Tinguelyを巡る女性作家たち

Jean Tinguely美術館の戸外のいちばん目立つ場所に、Niki de Saint Phalleのこの極彩色の彫像は置かれています。私は、ヨーロッパで実物を見る以前は、この太った極彩色の女の彫像が好きではありませんでした。でも、何か我々に力を与えてくれる元気なデブを、何度となく見ているうちに、だんだん親しみを感じるまでになったのです。そして、何よりもNikiという女性がボーグやライフの表紙を飾った美貌のモデルで、その美人がこのデブを作り出すことに非常な興味を魅かれるようになったのです。
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美術館の中にも、Jean Tinguelyに影響を与え、生涯を通して親しい関係にあった女性芸術家として、彼女の作品が飾ってあります。
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この、”現代版最後の晩餐”のような人形の作品は、とてつもなくJean Tinguelyの作品に雰囲気が似ていますが、何か決定的に違う・・・と思いきや彼の奥さんの(Nikiではない)作品でした。
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見てください、このひとりひとりの表情を!
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ところで、1971年にJeanとNikiは、とうとう結婚しているそうですが、この美術館の展示にそのことに触れた記述は一切ありませんでした。バーゼルの人々にとって、NikiはあくまでJeanの創造上のパートナーとして認められた存在だったのだと思いました。
by ueno-panda | 2010-02-09 20:51 | ART | Comments(5)
Commented by flower-production at 2010-02-10 18:37
一枚目の写真のサイケデリックなおデブさんは 妊娠中の女性なのかと思いました
それでお腹に希望を意味する太陽なのかと? 勝手な解釈してました
それにしても なんて面白い作品の数々!
上の人形が 不気味な面構えなのに何故か魅力的
下の写真の椅子
これも不気味なのに魅かれます
それに 動画の物体が面白い!
私の感覚がオカシイのか? (笑

Commented by shizenkaze at 2010-02-10 20:11
芸大時代の友人にも現代美術、抽象画、前衛芸術などを目指していた仲間が多く居ましたが、どうも私は駄目で・・・・・><
建物同様にシックと言うか見たまま自然に溶け込んでいるような画風、造形が好きなんです~^^
絵画ならルノアールやドガ、セザンヌのようなものが好きでした・・・・・♪^^
Commented by ueno-panda at 2010-02-10 20:15
素晴らしい!flowerさん、見事な洞察力です!そう、この太っちょの”ナナ”シリーズ、最初の作品はニキの妊娠した友達から着想を得たということです。私は、ずーっと、アメリカやヨーロッパの太った女の人たちから着想を得たに違いない!とセンスのないことを考えていました。それにしても、素晴らしい洞察力ですね。
この人形たちも、ほんと、魅力的ですよね。
このふたりの女性、ティンゲリーから、こうも影響を受けているのかと思うと、この三角関係のおどろおどろしさは、こわすぎるから想像するのは止めましょう。
ティンゲリーの動くガラクタは、ぜひ、実際に見て頂きたい!もっと、もっと魅力的です!
Commented by ueno-panda at 2010-02-10 20:57
shizenkazeさん!
うーん、印象派ですね。うちの父母と同じ好みです。我家には、田舎家の田園風景みたいなパステル画が掛ってます。ところで、芸大でのご専攻は、何ですか?写真がお上手なわけですよね!
ところで、今や、現代美術も抽象画も前衛芸術も年月を経て、色が褪せ、随分と自然に溶け込む風情を増しております。ほんとです!なかなか良いものだ、と最近は思います。
Commented at 2010-02-10 21:24
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